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防火地域・準防火地域とは? 誰もが安心できる暮らしを維持するために必要な地域

住宅密集地

昔から怖いものの代表を「地震・雷・火事・おやじ」と言ってきたように、火事は幸せな暮らしを一瞬にして奪ってしまう恐ろしい事態です。
そんな恐ろしい火事が広範囲に燃え広がるのを防止するために制定されたのが「防火地域・準防火地域」です。
今回は安心して暮らすために設けられた防火地域・準防火地域についての詳細や建築規制などについて解説していきたいと思います。

■安全な暮らしを火事から守る3つの防火地域

防火地域には防火地域、準防火地域を含め3種類に分けられます。まずはそれぞれの防火地域についてご紹介します。
 
・3種類の防火地域
防火地域、準防火地域は都市計画法第9条21項にて「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として定義されていて、建築基準法で具体的な規制が定められています。詳細な規制は各自治体で指定されています。(出展:e-Gov法令検索 都市計画法)
 
<防火地域>
防火地域には「都市の中心的な商業地」、「住宅密集地」、「主要幹線道路沿い」に該当する場所が指定されています。いずれも火事が発生すると経済的、人命的に大きな打撃を受ける場所です。
 
<準防火地域>
準防火地域には「防火地域に該当する周辺部」が指定されています。防火地域に被害が及ばないようにするためには、準防火地域での防除も必要不可欠です。
 
<法22条区域(建築基準法22条指定区域)>
防火対策の指定がもっとも厳しい場所は防火地域、次いで準防火地域ですが、準防火地域の周辺には、防火地域や準防火地域に比べると制限が緩和されている法22条区域があります。
 
・防火地域か準防火地域かを調べるには?
気になる土地が防火地域および準防火地域に指定されているかどうかを調べるには、各市区町村の役所にある都市計画課や建築指導課の都市計画図で確認できます。インターネットでも各地域の防火地域をまとめたものが掲載されていますので、そちらで確認することも可能です。

■防火地域・準防火地域の建築規制

消火栓のマンホール

防火地域・準防火地域には建築に関する制限が設けられています。
 
・各防火地域の建築規制
防火地域および準防火地域では建物の階数や床面積に応じた耐火建築物、準耐火建築物、もしくは防火構造でならなければなりません。具体的には下記のようなものが対象となります。(出展:国土交通省 建築基準法制度概要集)
 
<防火地域の建築規制>
3階建て以上、もしくは延床面積100㎡以上の建築物…耐火建築物
上記に該当しない建築物…耐火建築物、または準耐火建築物
 
<準防火地域の建築規制>
4階建て以上、もしくは延床面積1,500㎡以上の建築物…耐火建築物
延床面積500㎡以上1,500㎡以下の建築物…耐火建築物または準耐火建築物
 
<法22条区域の建築規制>
防火地域や準防火地域に比べると制限はかなり緩和されていますが、屋根は不燃材料に、木造建築物等では延焼のおそれのある外壁部分を防火性能のものにしなければなりません。
 
※詳しい規制や制限などは、必ずお住まいに自治体にご確認ください。

■防火地域・準防火地域に家を建てるなら

消火設備

防火地域や準防火地域に家を建てる際、階数や延べ床面積によって防火構造が定められていますが、それぞれの防火構造はどのような特徴を持つのでしょうか。
 
・防火構造の違い
<耐火建築物>
主要構造部(屋根、柱、壁、床など)に火災時に一定時間燃えない建材を使用し、もしも火災が起こっても建物の倒壊や延焼の防止に必要な性能を備え、中にいる人が避難するまでの間倒壊しない建築物のこと。
 
<準耐火建築物>
主要構造部に一定の耐火性が必要とされ、火災発生後45分以上の耐火性があり、延焼を抑制する性能を有している建築物のこと。
 
今回ご紹介したように、防火地域や準防火地域は大規模火災を防ぐために大変重要な役割があります。各防火地域の建物を防火構造にすることが火事の広がりを抑える役目を果たしますので、防火地域および準防火地域に家を建てる際は、必ず法律を守りましょう。
 
素人にはわかりにくい建築技術や法律のことは、家の購入や建築を相談する不動産会社や建築会社の担当者に遠慮なく相談してみましょう。