ゼロホームは京阪グループの一員です

環境配慮型住宅のローカルモデル
「平成の京町家 東山八坂通」

平成の京町家 東山八坂通

超・平成の京町家 設計五原則

1
「最大限の風通し」を確保する
2
複数の建具で 「入れ子式の環境調整空間」をつくる
3
まちの文脈を読み込んで 「道とつながる庭」をつくる
4
多様なシナリオに適合した 「住み継げる間取り」を実現する
5
「マネジメントルール」でまちなみをつくる

産学の共同研究で実現した京都の新しいまちづくり

京都は、世界的な文化遺産や伝統的な京町家が多数存在する美しい街です。しかしながら、その一方で時代の流れとともに防災や安全性の基準、機能性や快適性を求める人々のニーズは変化し、「京都らしさ」を優先しない開発や建替えが進んでいるのも事実です。そんな中、地域での住まいやまちづくりを研究する京都大学髙田研究室と、地域ビルダーとして新しいまちづくりを続けるゼロホームが「持続可能な社会に対応した木造住宅システムに関する研究」と題した共同研究の一環として、京都にふさわしい環境配慮型住宅のローカルモデル「平成の京町家 東山八坂通」に取り組みました。

「住みごたえ」のある住まい進化した「平成の京町家」

本プロジェクトは、密集した歴史的市街地に建つ4棟8戸の住宅団地です。前面道路の制約から、通常のように区画を分けて分譲するといった開発行為が難しい敷地に、建築基準法86条1項の一団地認定を利用することにより、一敷地内に複数建物を一体的にデザインすることが可能となりました。この「東山八坂通」の建物は、京都市が推進する「平成の京町家」の認定を受けています。しかし、その基準を満たすにとどまらず、「平成の京町家」をさらに進化、発展させ、建物だけでなく屋外空間も含めて計画したことで、密集した市街地でも通風や採光を効率的に確保すると同時に、避難通路や防災用空地を確保しつつ、周辺街区に溶け込んだまちなみを生み出し、まちに住む価値を高めました。地球環境問題への対応とともに、自然とのつながり、まちとのつながり、住まい手とのつながりをいっそうと強め、京都の居住文化の継承と発展を実現する、「住みごたえ」のある住まいを実現した「東山八坂通」プロジェクトは、京都のこれからの街づくりに重要な役割を果たすでしょう。

    

-1.「最大限の風通し」を確保する

京町家では、可能な限りの風通しを確保してきました。現代住宅では、多くの場合、壁や設備に遮られ、建物を縦断する風の道を確保することが困難ですが、設備の配置を工夫するとともに、引戸を多用して、風の道の有効幅を最大化しました。

平成の京町家 東山八坂通
    

-2.複数の建具で「入れ子式の環境調整空間」をつくる

外部と内部をつなぐ環境調整空間は、住まい手により開閉される複数の建具で生み出されます。高性能の建具の開発により、入れ子状の環境制御空間をさらに高めることができ、また、立体的な入れ子を使うことで、冷房と通風の両立も可能となります。

環境調整空間の展開

平成の京町家 東山八坂通

土間や縁側に加えて、立体的な入れ子による環境調整空間や続き間を利用した相対的な環境調整空間といった新しい環境調整空間の計画も行っています。

夏冬兼用建具

平成の京町家 東山八坂通

葭戸と摺上げ下げ障子を組み合わせた夏冬兼用建具によって、夏は通風を確保し、冬は外気の進入を遮断します。

    

-3.まちの文脈を読み込んで「道とつながる庭」をつくる

「平成の京町家」では、家は建物だけでなく、建物と庭からできていると考えています。庭は重要な住宅の構成要素であり、住生活の目的空間です。基本設計当初から庭師とのコラボレーションを進め、外部からのメンテナンス用の通路を確保するとともに、環境や景観などの視点から近隣の庭との連担にも配慮しました。

平成の京町家 東山八坂通
       

-4.多様なシナリオに適合した「住み継げる間取り」を実現する

京町家では、表屋や離れを人に貸したり、隣の町家と一体利用するなど、空間の分節や結合が行われてきました。「平成の京町家」では、予測困難な環境変化に対して、必ずしも血縁関係にない様々な家族が住み継げるような、多様なシナリオに対応できる空間構成が求められます。

平成の京町家 東山八坂通

-5.「マネジメントルール」でまちなみをつくる

京町家は、建物や庭を連担させることで、高密居住空間の有効活用と環境調整を実現し、美しいまちなみを維持してきました。本分譲地では、区分所有法にもとづく管理組合を結成してマネジメントルールを設け、けらばを重ねたまちなみの継承や庭の連担の継承などを実現する敷地全体の景観や環境の調整の仕組みとしています。

けらばの重なり

平成の京町家 東山八坂通

京都の伝統的な雨仕舞である「けらば」を隣接住戸と重ねることで、伝統的なまちなみを実現しています。

「平成の京町家 東山八坂通」概要

  • □所在地:京都市東山区大和大路四条下ル
  • □総戸数:8戸(A〜D棟合計)
  • □構造・規模:木造2階建て・2戸連棟戸建て・全4棟
  • □総敷地面積:1156.02㎡
  • □住戸専有面積:102.67~123.32㎡
  • □地目:宅地
  • □道路幅員:西側:幅員4m公道に26.39m接面
  • □用途地域等:近隣商業地域、市街化区域、準防火地域、15m第3種高度地区、旧市街地型美観地区、近景デザイン保全区域、屋外広告物規制区域(第3種地域)
  • □建蔽率・容積率:80%・300%
  • □分譲後の権利形態:敷地は区分所有者全員の住居専有面積持分割合による所有権の共有、建物は区分所有
  • □管理形態:区分所有者全員により管理組合を結成し、管理会社に委託(管理会社:株式会社グランディア)
  • □企画:京都大学髙田研究室、株式会社ゼロ・コーポレーション
  • □基本設計:京都大学髙田研究室、HA+Gデザインオフィス一級建築士事務所
  • □実施設計・施工:株式会社ゼロ・コーポレーション
  • □造園施工:株式会社京都庭園研究所
平成の京町家 東山八坂通展示パネルで見る(PDF2.63MB) >>
    
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