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外部の仕舞

大原三千院民家再生事業
手間がかかった屋根補修の様子

構造材の入れ替え、屋根の補修は思いのほか手間が掛かり、大工工事で延べ100人工ほど掛かりました。

取りあえず外部の仕舞を優先させなければなりませんので、開口部の内法材(敷居、鴨居)、外部の木部化粧材等の加工を平行して行います。

大原三千院民家再生事業
再利用するガラス戸

ここで、古材利用と建具の再利用を検討しなければなりません。
建具はかなりの枚数があるものの、今回の再生に利用できるのは4分の1からよくても3分の1程度だろうと思われます。特に、外部に面するガラス戸は意匠としてみせる部分でもあり中途半端なものは利用できません。

幸いにして、建具を引き上げてきた龍安寺の古家は元々料理屋さんをしようとしていたところでしたので、立派な庭と中庭があり、つまり外がよく見えるように掃き出しのガラス戸が多数あったのでした。これが非常に役に立ち、2階の正面と裏の庭を見渡す縁部分に利用できました。

大原三千院民家再生事業
養生シートが取れた現場裏側

外部の仕上げは見かけ上、真壁にして腰板貼りと漆喰調の仕上げ、木部は紅柄調の塗装でオーソドックスに納めることになりました。

さすがに腰板は古材を都合良く手に入れることが出来ずに、杉板を手配いたしました。この杉板は出来る限り自然乾燥をさせようと、使用する2ヶ月ほど前に厚み5分、巾1尺1寸、長さ6尺のものを180枚程用意して、プレーナー(自動カンナ)に通して立て掛けておきました。

平行して、外部の仕舞と敷居などを納めるために2階の縁は古材の板を利用することになったのですが、汚れと表面の傷を取るためにプレーナーを通したところ、そこで予測していない事態が起こりました。 と、いいますのも、床を捲るときに釘仕舞いで1本1本丁寧に抜いていったのですが、何十年も経過しているために釘その物が錆びて折れて残り、また、錆の破片として内部に残り、それがカンナの刃を欠けさせて仕上がりに影響しました。 欠ける都度カンナの刃を研がなければならず、能率があがりません。時間が倍かかったといっても過言ではありません。

古材の利用ということに対して大きな課題が出来ました。

  • 施工実例 大原三千院民家再生
  • 木造建築の可能性 2001.1月 完成

    大原三千院民家再生

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