構造補強
軸組みの傾きや歪みを矯正し、腐食した躯体を修復、補強していきます。
<立ち起こし>ロープで建物全体を引っ張って、傾きを直す大掛かりな作業です。
主要な柱などにロープをかけて、建物全体の傾きを修正している。
1方向だけではなく。あらゆ方向から引っ張って、ゆがみや傾きを直していく。
<柱の根継ぎ>柱が腐食した部分を新しい部材で継ぎます。
元々あった通柱(とおしばしら)を撤去する。
木材を継いで通柱を新設する。
管柱(くだばしら)も新しい木材を継ぐ。
追掛け大栓継(おっかけだいせんつぎ)と呼ばれる継手である。
「継手(つぎて)」
木造建築において、2つ以上の部材を組み合わせて接合する手法のこと。木材は優れた建材ですが、長さや太さには限りがあります。現代では簡易的な継手・仕口と接合金物の併用が一般的ですが、伝統的な木工法では金物を使用せずに木材を接合します。
意匠的なものや強度の違いなど多種多様な継手が現代に受け継がれています。
「追掛け大栓継(おっかけだいせんつぎ)」は加工が複雑ですが、継手の中でも強度が高い伝統的な継手で、木材の接合面に勾配と段差をつけて、込み栓(大栓)を入れ固定します。
<躯体補強>接合部分を金物で補強したり、補強材を新設します。
2階床梁 羽子板ボルトなどで補強する。
小屋裏を補強(雲筋交いにて)。
2階小屋梁 補強梁を新設する。
「筋交い(すじかい)」
家が歪まないよう強く補強するために、柱と柱の間(壁の要所)に取り付けられている補強材のこと。
「雲筋交い(くもすじかい)」は、屋根を垂直に支える「小屋束(こやづか)」を補強する筋交いです。
木造建築の可能性
施工/2004年7月~2005年5月神戸 異人館再生