解体
全て解体するのでは無く、壊す部分は必要最小限にとどめ、古い構造を現代の技術で補強する予定です。
また、往時の雰囲気を損なわないよう、再利用できる物はできる限り残す方向で作業しました。
<基礎部分>基礎部分はレンガ基礎の上に延石を積んだものや、独立基礎といった古い構造でした。
独立基礎とは…
1本ずつの柱の位置に単独で設けられた基礎のこと。
<歪曲した構造部>長い年月のせいか、構造が反ったり、ひねりが加わって、ひどく歪んでいました。
2階床部分。梁の反り、ひねりによりレベルが狂っているのがわかる。
曲がりくねった通し柱。
<使用された建材の一部>構造に使用されていた建材の一部は、別の建築物からの流用でした。
隅木に古材(鴨居)が使用されていた。鴨居の溝が見える。
屋根部分の小屋束にも古材が使用されていた。
<腐食>木部が腐食している箇所が多くみられました。
土台の腐食
長年の雨漏りで腐食した、ほぞ部分。
雨漏りによる屋根の野地板腐食
木がフレーク状になっている。
<ほぞの抜け部分>「ほぞ」と呼ばれる、木材と木材のつなぎ目が外れてしまっています。
<再使用したものなど>庭に転がっていた石も、使える物は再使用しました。
(1)は勝手口の踏み台へ、
(2)は新しい玄関アプローチの階段に使用。北西側増築部分…(3)の間知石(けんちいし・まちいし)は外構に使用。
この壁の裏の金庫室を潰して玄関へ。
金庫室の解体の様子。
木造建築の可能性
施工/2004年7月~2005年5月神戸 異人館再生