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こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.44]100年安心をかなえる家。 ~ゼロホームが提案するサステナブルな家づくり~

国が長期優良住宅※を推奨する以前から、「100年住宅」を謳ってきた株式会社ゼロ・コーポレーション。品質にこだわりながら工法を工夫し、高い施工技術を用いて定期的なアフターメンテナンス体制を構築することで、永く住み継げる家を実現させたのが『ゼロホームの100年住宅』です。建材調達においてはESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮するなど、その姿勢は京阪グループが取り組む京阪版SDGs「BIOSTYLE」の推進と循環型社会の実現に大きく貢献しています。100年先、さらにその先の未来へと、確かな安心をつないでいくゼロホームの家づくりをレポートします。

  • ※長期にわたって良好な状態で住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅のこと。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が2009年6月4日に施行されました。

社名ゼロ・コーポレーションに込められた熱い想い

ゼロ・コーポレーションは、1981年に「京都住宅販売」という社名で創業しました。創業当初より京都を中心に土地を仕入れ、住宅の企画・設計・建築から引き渡し後のアフターメンテナンスまでを一貫して行ってきました。
転機となったのは1995年に発生した阪神・淡路大震災です。神戸市からの要請を受け、被災エリアで住宅供給に取り掛かるのをきっかけに、ゼロからスタートする被災地に心を寄せて、社名を「株式会社ゼロ・コーポレーション」に変更。震災で目の当たりにしたのは「家」は命を守る大切な器であるという、当たり前ですが厳然たる事実でした。家族や自分の命を守ることのできる、より強くて品質の高い住宅を建てなければならない。そのときの固い決意が社名には込められています。

京都で生まれたからこその知恵と先見性

京都は、歴史が息づくまちだけに古くからの狭小地や狭小道路がひしめき合い、まとまった開発は難しい側面があります。また、古都の美しい景観を守るための厳しい規制もあり、一朝一夕では克服することのできないさまざまな施工技術や工夫が必要です。そんな京都で生まれ育ったからこそ、創業当初から一軒一軒異なる環境や厳しい条件下であっても、住まう方のニーズと真摯に向き合う丁寧な家づくりを手がけ、高い建築技術を磨いてきました。また、歴史的景観を保全する責務から、可能な限り環境に負荷をかけない家づくりを追求してきたのです。

メンテナンスのしやすい工法を採用

何もしなくて永久に住める家は存在しません。木造住宅は、正しく施工して定期的な管理をすることで、家の躯体となる軸組みは100年~200年は持ちます。それに対して、壁や屋根・サッシ・配管などは、使用状況にもよりますが30年~50年サイクルでの取り替えが必要です。ゼロホームでは、建てる時点で数十年後の改修をあらかじめ想定し、構造躯体(スケルトン)と部材(インフィル)を明確に切り分ける工法を採用。これであれば構造躯体に負担をかけずに、壁や屋根・サッシ等各部材の取り替えが可能になります。

■100年丈夫な構造躯体を構築するため、現場監督は家の耐力を決める基礎工事や、構造を担う大工工事の現場に足を運び、設計図と照らし合わせて、正しく施工されているかを入念にチェックします。ゼロホームは、建築工事を決して協力会社任せにせず、自社で責任を持って施工しています。

  • ■コンクリート等に埋め込まない「露出配管」
  • ■各給水・給湯栓を一つずつヘッダー接続することで、漏水トラブルを減らし、万一のトラブル発生時にも他に影響がでにくい「ヘッダー配管」

定期点検は、引き渡し後1年目、10年目、以降は5年毎に実施します。屋根や外壁にはじまり、床下に至るまでくまなくチェックし、適切にメンテナンスすることで、100年以上安心して住み続けられる家を実現しています。

  • ■屋根や外壁など、目視しにくい部分はドローンで撮影して広範囲にチェックします。
  • ■定期点検では隅々までチェックし、「住宅履歴書」としてデータ化。

100年住める家は地球にもやさしい

時代は、スクラップ&ビルドから良質なストック型の社会へ。住宅も同様に、良質なものを手入れして大切に使い後世へ引き継ぐという、人にも地球にも心地よい住環境が求められています。ゼロホームの100年住宅は、国が推進する「長期優良住宅」の認定基準をすべてクリア。「劣化対策」や「維持管理・更新の容易性」「省エネルギー性」などにおいて、高品質・厚管理を提供します。住宅を長期にわたり使用することは、解体による廃棄物の排出を抑え、環境への負荷低減につながります。適切にメンテナンスすることによって、修繕や建て替えに伴う住まう方の負担も軽減できます。つまり、永く住み継げる家は人にも地球にもやさしい暮らしにそのままつながっているのです。

日本の風土にあう「木」の家

ゼロホームは、「木」にこだわった木造住宅を建築しています。高温多湿な日本の風土では、湿気をよく吸い、風を通す木の性質は、家づくりに大変適しているのです。世界最古の木造建築物である法隆寺の五重塔が1300年以上建ち続けているのも、木造特有のしなやかで生命力ある耐久性のおかげです。また、木造は弱いという印象がありますが、正しく品質よく施工すれば、地震や台風への耐力は、鉄骨造やコンクリート造にも劣りません。木の特性を最大限に引き出し、適材適所に使用して永く住み継げる健やかな家づくりに活かしているのがゼロホームの100年住宅です。

木を使い、森を育てる使命

日本は、国土の67%を森林が占める世界でも有数の森林国です。かつては檜や杉を植林しては40~60年で伐採し、建材として役立てる、そして伐採した山にまた植林する。山は人の生活とともに生きる循環システムができ上がっていました。ところが、戦後の復興期に外国材の輸入制限枠が大幅緩和されたことをきっかけに、日本の山の植林と伐採のバランスは崩れてしまいました。安価な外国材に押され、林業自体が衰退。山林に関わる人材は減少し、山は荒れていきました。山の荒廃は土砂災害等を招きかねず、また伐採されないままの樹齢の高い樹木は、二酸化炭素吸収効果が低下するため地球温暖化防止にも貢献しません。
こうした状況を打破するには、日本の家を日本で育った木材で建築し、かつての「植林→伐採→建材使用→植林」のシステムを再構築し、森を育てる健全なサイクルに戻す必要があります。「木」を使う者の責任として、ゼロホームでは全棟に国産材を採用。強い耐久性と弾力性で知られる宮崎県の杉は、とりわけハイクオリティな建材として知られますが、素材生産量として全国一位を誇るこの宮崎杉を100年住宅の縦柱として使用しています。

品質の高い家を建て、
最良の状態のまま末永く暮らしていただく。
それがゼロホームの目指すところです。

■水かけ試験で雨水の建物内部への浸入を素手でチェック

ゼロホームの家づくりについて、工務部工事課の課長代理 田中嗣朗(たなか ひであき)さんにお話を伺いました。

本日訪問した建築の現場は、狭小道路、狭小敷地、狭小間口のまさに京都らしい住宅密集地でした。

今日の現場はクレーンを使って作業していましたが、クレーン車が入れないところでは建材などすべて手で運び入れる必要があります。また、狭い敷地では、エアコン室外機の設置位置の想定を誤るだけで、あとの住みやすさに大きな影響が出てしまうほどシビアです。ですから、まず綿密に現地調査をして、設計図通りに家を建てることができるのか、その計画がベストなのかを確認することから現場監督の仕事はスタートします。近隣の方々に工事のご挨拶を済ませ建築工事に入れば、一軒の家を完成させるまでに大工さんや設備会社の方など関係者が延べ100人程に及びますので、コミュニケーションを密にとって、進行・管理するのも私たち現場監督の仕事です。

先ほど拝見した水かけ試験も現場監督の仕事なのですね?

あの透湿防水シートは雨水の浸入を防ぐとともに、壁内の余分な湿気を放出する役割を果たします。細心の注意を払って施工しますが、針の穴ほどの小さな隙間でも雨水は建物内部へ浸入するので、入念に水かけ試験を行います。しかし、そこまでしていても雨漏りは起こってしまうことがあり、アフターメンテナンスチームが水を何時間もかけて徹底的に原因究明をします。

■ゼロホームの公開(雨漏り事例に対する検証記録)

建築会社はそこまでやるものなのですか?

当社は雨漏りの撲滅を目指しているので、ちょっと特別かもしれません。雨漏りというと屋根や天井など上から漏れるものと想像されるのですが、横から吹き込んだり、下から吹き上げたりすることもあって実に厄介です。昨今の台風や暴風雨の多さを背景に、従前では考えられない雨漏りが起きています。そこで幾重にも防止策を施しています。

そのように発生したトラブルやお客さまからのご意見もすべて社内で共有し、社外にも公開されているのですね。

はい。当社は2002年10月より、『公開』を建築コンセプトに掲げています。お客さまからご意見を頂戴した場合、まずアフターメンテナンスチームが現場を確認し、原因と対策を検討、工事課に連携して改善方法を決定、設計とすり合わせたうえで営業にも説明します。それらミーティングの議事録は、入社1年目から総務や経理といった間接部署まで全社員に回覧して情報共有しています。また、その年にどんなことがあり、どう改善したかをすべてデータベース化し、年に一度、過去事例を振り返るミーティングを開催して、会社の経験値として積み上げています。
これらの対応記録やお客さまからいただいた満足度アンケートの内容は、そのままウェブサイトに公開し、お客さまに見ていただけるようにしています。

株式会社ゼロ・コーポレーション
工務部工事課 課長代理 田中嗣朗さん

アフターメンテナンスを直営するのは珍しいとか。

トラブルの対応を他社任せにしないのは当社の信念です。なぜ起きたのか?そこをどう対処したのか?などすべてを把握し、社員全員で共有できているから常に迅速で適切な対応が可能となっています。私たちは、良い家を建てておしまいではありません。良い家のまま、ずっと暮らしていただくことこそが願いです。そのためには、定期点検が非常に重要となります。住んでいるうちに少しずつ劣化するのはやむを得ないこと。だからこそ、お客さまの暮らしに伴走し、一緒に見守り、軽微な段階で修繕していく。それがアフターメンテナンスチームの使命です。定期点検システムを充実させているのは、そのためです。ゼロホームの100年住宅を、100年ずっと変わりなく快適に過ごしていただきたい。それが当社全社員の目指すところです。

国産材を使った永く住み継げる家づくりは、まさにSDGsの理念をかなえる住宅です。

100年住宅は、SDGsの観点からもよく考えられた商品だと自負しています。ただ、それは結果論なのです。「お客さまのために」を考え続けていたら、自然と時代や社会が求めるカタチになりました。当社では全社員が本当によく勉強し、より良き家づくりに日々真剣に取り組んでいます。これからも私たちだからこそできる品質の追求を通して、お客さまに、社会に、地球にやさしい家づくり、まちづくりを担っていきたいと考えています。

ゼロホームは未来基準の住まいを提案しています

100年住宅のゼロホームは、未来に目を向け、豊かで快適な、そしていつまでも安心して暮らすことのできる住宅を目指しています。全棟に国産材を使用するのに加え、住まいのエネルギー収支をゼロにする「ZEH(ゼッチ)※」をご提案。具体的には、断熱性能が高く、太陽光発電などでエネルギーを創り出し、省エネ性能の高い設備を使用した住宅のことです。通常の住宅に比べ、1.ランニングコストの大幅な軽減、2.断熱性能向上による負担のないエコ、3.災害時でのライフラインの確保といったメリットがあります。

  • ※Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、断熱・省エネ・創エネで住宅の年間エネルギー消費量を正味(ネット)ゼロにする住宅

2020年11月掲載

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